今回取り上げる論文
生成AIの進化によって、オンラインショッピングのあり方が変わろうとしています。
これまで消費者は、ECサイトを訪れ、検索結果を眺め、商品ページを読み、価格や評価を比較したうえで購入する商品を決めてきました。しかし、AIエージェントが普及すれば、こうした作業の一部または全部をAIに任せられるようになります。
「予算内で、仕事中にも着けられる軽いスマートウォッチを探してください」
このように希望を伝えるだけで、AIが商品を検索し、比較し、候補を絞り込み、場合によっては購入まで行う世界です。
では、AIエージェントは、どのような基準で商品を選ぶのでしょうか。人間よりも合理的に、価格や性能だけを比較するのでしょうか。それとも、人間とは異なる独自の偏りを持つのでしょうか。
この問題を実験的に検証したのが、Amine Allouah、Omar Besbes、Josué D. Figueroa、Yash Kanoria、Akshit Kumarによる論文「What Is Your AI Agent Buying? Evaluation, Biases, Model Dependence, & Emerging Implications for Agentic E-Commerce」です。
本稿では、この論文の内容を紹介しながら、AIエージェントが購買主体となる時代に、EC事業者、プラットフォーム、消費者が直面する変化について考えます。
論文情報
論文名
What Is Your AI Agent Buying? Evaluation, Biases, Model Dependence, & Emerging Implications for Agentic E-Commerce
著者
Amine Allouah、Omar Besbes、Josué D. Figueroa、Yash Kanoria、Akshit Kumar
公開情報
2025年8月に初版公開、同年12月に第3版公開。短縮版は2026年4月に『Proceedings of the ACM Web Conference 2026』へ掲載されています。
この論文を選んだ理由
AIエージェントが購買を代行するAgentic Commerceは、ECにおける次の大きな変化として注目されています。しかし、AIが実際にどのような基準で商品を選ぶのかについては、まだ十分に明らかになっていません。
本論文は、AIエージェントの商品選択を統制された環境で具体的に検証しており、今後の商品情報設計、ECプラットフォームの運営、AEO・GEO戦略を考えるうえで重要な示唆を含んでいます。そこで今回は、本論文の主要な発見と、EC事業者にとっての意味を紹介します。
人間ではなく、AIが商品を選ぶ市場
現在のECサイトは、基本的に人間が閲覧することを前提に設計されています。
検索結果の上位に商品を表示する、目立つ画像を掲載する、レビュー件数を示す、「おすすめ」や「残りわずか」と表示するといった施策も、人間の注意や心理に働きかけることを目的としています。
しかし、AIエージェントが消費者に代わって商品を選ぶようになると、これらの施策が同じように機能するとは限りません。
AIは広告表示をどのように解釈するのでしょうか。検索結果の最初に表示された商品を選びやすいのでしょうか。レビュー件数や評価点をどの程度重視するのでしょうか。同じ商品群を見せたとき、ChatGPT、Claude、Geminiは同じ商品を選ぶのでしょうか。
論文の著者たちは、こうした疑問を調べるため、ACES(Agentic e-CommercE Simulator)という実験環境を構築しました。
AI専用の模擬ECサイトを構築
ACESは、AIエージェントに商品を選ばせ、その判断を観察するための模擬ECサイトです。
研究者たちは、次の8つの商品カテゴリーを用意しました。
- フィットネスウォッチ
- iPhone 16 Pro用ケース
- マウスパッド
- オフィス用照明
- ホチキス
- トイレットペーパー
- 歯磨き粉
- 洗濯機
それぞれのカテゴリーについて、Amazonで実際に販売されている商品を参考に8商品を選び、2行×4列の一覧画面に表示しました。
AIエージェントには、「一般的な利用者に適していると思われる商品を1つ選んでください」という趣旨の指示を与えます。AIは商品一覧を確認し、選択理由を説明したうえで、1つの商品をカートに追加します。
この実験の重要な点は、商品の表示条件を研究者が自由に変更できることです。
研究者たちは、商品の並び順を入れ替えるだけでなく、価格、評価点、レビュー件数、広告表示、プラットフォームによる推奨表示などを無作為に変化させました。
これにより、ある商品が選ばれた理由を比較的明確に切り分けられます。
例えば、同じ商品を異なる位置に表示して選択率が変わった場合には、商品の品質ではなく、表示位置がAIの判断に影響したと考えられます。
AIは基本的な商品比較を正しく行えるのか
研究者たちは最初に、AIエージェントが最低限の合理的な判断を行えるかを確認しました。
例えば、次のような条件です。
- 指定された予算内の商品を選べるか
- 指定された色の商品を選べるか
- 指定されたブランドの商品を選べるか
- それ以外の条件が同じなら、最も安い商品を選べるか
- それ以外の条件が同じなら、最も評価の高い商品を選べるか
初期のモデルでは、わずかな価格差や評価点の差を見落とす場合がありました。
例えばGPT-4.1は、他の商品より1%だけ安い商品がある場合、約9%の実験で最安商品を選べませんでした。また、評価点が0.1だけ高い商品を選ぶ課題でも、約16%の失敗が確認されています。
ところが、2025年末時点のClaude Opus 4.5、GPT-5.1、Gemini 3 Pro Previewでは、こうした単純な比較における誤りはほとんど見られなくなりました。
AIの商品比較能力は急速に向上しており、予算、価格、評価点など、明確に示された条件に従って商品を選ぶ能力については、すでにかなり高い水準に達していることが分かります。
しかし、正解が明確な比較課題に強いことと、消費者にとって最適な商品を選べることは同じではありません。
実際の商品選択では、価格、品質、ブランド、レビュー、機能など、複数の要素を総合的に評価する必要があります。ここから、AIエージェントごとの違いが明確に表れます。
同じ商品を見ても、AIによって選択が異なる
論文の重要な発見のひとつは、同じ商品群を提示しても、使用するAIモデルによって選ばれる商品が大きく異なることです。
例えばフィットネスウォッチでは、Claude Sonnet 4がFitbit Inspireを選んだ割合は約45%でした。一方、GPT-4.1とGemini 2.5 Flashでは約25%にとどまりました。
さらに、同じ企業が提供するAIでも、モデルが更新されると選択結果が大きく変わりました。
Fitbit Inspireの選択率は、Claude Sonnet 4では45%でしたが、後継のClaude Opus 4.5では77%に上昇しました。反対に、GPT-4.1では約25%だったものが、GPT-5.1では約6%まで低下しました。
商品の内容や価格が変わっていないにもかかわらず、AIモデルが更新されただけで、ある商品の選択率が急上昇したり、急低下したりする可能性があるのです。
著者たちは、この変化を市場に対する「需要ショック」として捉えています。
将来、特定のAIエージェントが大量の購買を仲介するようになれば、モデルの更新がEC市場に大きな影響を与える可能性があります。検索エンジンのアルゴリズム変更によってWebサイトへの流入が変動するのと同じように、AIモデルの更新によって商品の需要が変動する世界が考えられます。
AIの選択は一部の商品に集中しやすい
AIによる購買では、特定の商品に選択が集中する傾向も確認されました。
ホチキスのカテゴリーでは、Amazon Basicsの商品が圧倒的に多く選ばれる一方、まったく選ばれないブランドもありました。
人間の消費者は、それぞれ異なる好み、経験、ブランドへの印象を持っています。そのため、同じ商品群を見ても、購入先はある程度分散します。
一方、多くの消費者が同じAIモデルに購買判断を委ねると、似た判断基準が繰り返し適用されます。その結果、AIが標準的とみなした少数の商品に需要が集中し、それ以外の商品が選択肢から事実上排除される可能性があります。
これは、個々の消費者にとって便利かどうかという問題にとどまりません。特定の商品やブランドへの需要集中が進めば、市場競争や商品の多様性にも影響します。
AIエージェントが普及した市場では、「多くの人に少しずつ好まれる商品」よりも、「特定のAIモデルに最も好まれる商品」が市場を支配する可能性があります。
AIにも表示位置の偏りがある
AIは画面上のすべての商品を公平に比較し、人間のような表示位置の影響を受けないようにも思えます。
しかし、実験では、AIエージェントにも強い表示位置の偏りが確認されました。
いずれのAIも、下段より上段の商品を選びやすい傾向を示しました。ただし、横方向の偏りはモデルによって異なります。
- GPT-4.1は左側の商品を選びやすい
- Claude Sonnet 4は中央付近の商品を選びやすい
- Gemini 2.5 Flashは右寄りの商品を選びやすい
Claude Sonnet 4では、ある商品を右下から上段中央へ移動させるだけで、選択率が約5倍になるという推定結果も得られました。
さらに興味深いのは、この偏りがモデル更新によって反転する場合があることです。GPT-4.1が最も好んだ位置は、後継のGPT-5.1では最も選ばれにくい位置になりました。
つまり、「AIに選ばれやすい最上位の位置」が普遍的に存在するわけではありません。どの位置が有利かは、AIの提供企業やモデルの世代によって変わります。
研究者たちは、AIに「商品の位置を無視してください」と明示する実験も行いました。しかし、それだけでは表示位置の影響を完全には取り除けませんでした。
この結果は、表示位置への反応が単純な指示だけでは修正できない、モデル内部の判断傾向と関係している可能性を示しています。
広告は避け、「おすすめ」は信用する
ECサイトで一般的に使用される表示も、AIの選択に影響を与えました。
実験では、商品に次の3種類の表示を無作為に付与しています。
- Sponsored
- Overall Pick
- Only X Remaining
「Sponsored」と表示された商品は、他の条件が同じでも選ばれにくくなりました。AIはスポンサー表示を広告と認識し、一定の割引評価を行っていると考えられます。
一方、プラットフォームが推奨する「Overall Pick」の表示は、選択率を大きく上昇させました。
もともとの選択確率が10%の商品にOverall Pickを付けると、選択確率はClaude Sonnet 4で約24%、GPT-4.1で約20%、Gemini 2.5 Flashでは約43%に上昇すると推定されています。
ただし、この結果は「広告を出すと必ず売れなくなる」という意味ではありません。
広告によって検索結果の上位へ掲載されれば、表示位置によるプラスの効果を得られます。その一方で、Sponsoredという表示自体には、AIからの信頼を低下させる効果があるということです。
広告は有利な掲載位置を購入できますが、同時に広告であることによる信頼上のコストを負う可能性があります。
人間を対象とした広告設計だけでなく、AIがスポンサー表示や推奨表示をどのように解釈するかも、今後のECプラットフォームにおける重要な論点になります。
価格、評価点、レビュー件数には常識的に反応する
AIエージェントは、価格が低い商品、評価点が高い商品、レビュー件数が多い商品を選びやすいという、直感に沿った傾向を示しました。
この点では、AIはおおむね合理的に行動しています。
ただし、どの要素をどの程度重視するかはモデルによって異なります。
同じ0.1ポイントの評価上昇でも、選択率への影響はAIモデルごとに大きく異なりました。価格、レビュー件数、プラットフォームによる推奨表示の間で、何を優先するかも一定ではありません。
したがって、AI向けの商品情報を考える際に、すべてのAIに共通する単一の最適解を求めるのは難しいと考えられます。
「価格を下げれば選ばれる」「レビューを増やせば選ばれる」という方向性は共通していても、それぞれの効果の大きさはAIによって違うからです。
画面を見せなくても、順番の影響は残る
表示位置への偏りは、AIが画面を視覚的に処理する際に生じたものかもしれません。
そこで研究者たちは、ECサイトの画面を見せず、商品情報を文字とデータの一覧としてAIに渡す実験も行いました。これは、AIエージェントがAPIを通じて商品データを受け取る将来の購買環境を想定したものです。
しかし、画面を使わない環境でも、商品が一覧の何番目に書かれているかが選択に大きく影響しました。
Claude Sonnet 4では、同じ商品を一覧の最後から最初へ移動させると、選択率が約7倍になると推定されています。
つまり、順番の影響は、単にAIが画面の上部を見やすいから生じるわけではありません。画像を使わない構造化データであっても、情報が提示される順番そのものがAIの判断に影響します。
将来、Webサイトの画面をAIが直接読む方式から、商品データをAPIで受け渡す方式へ移行しても、ランキングや掲載順序の重要性がなくなるとは限りません。
商品説明の書き換えで選択率は変わるのか
論文では、販売者側もAIを利用する状況が検討されています。
研究者たちは、販売者役のAIに対して、自社商品と競合商品の情報、過去の選択結果を与え、自社商品が選ばれやすくなるよう商品タイトルを書き換えさせました。
ただし、存在しない機能を追加したり、事実と異なる表現を使ったりすることは禁止しています。もとの商品情報の範囲内で、単語の追加や並び替えを行います。
書き換え後、同じ商品群をAIエージェントに再び提示したところ、全体の33%にあたる商品カテゴリーとAIモデルの組み合わせで、統計的に明確な選択率の上昇が確認されました。
一方、残る67%では、明確な改善は確認されませんでした。また、書き換えによってかえって選択率が低下する事例もありました。
特に大きな変化が見られたのが、オフィス用照明です。
もとの商品名では、「Office」という重要な単語が後方にあり、一覧画面では途中で省略されていました。販売者役のAIがOfficeという単語を商品名の前方へ移動させると、「オフィス用照明を探す」という依頼との関連性が認識されやすくなり、すべての買い手側AIで選択率が上昇しました。
商品説明を短くしたから選ばれたのではありません。検索意図と関係する重要な情報を、AIが認識しやすい位置へ移動させたことが効果につながったと考えられます。
著者たちは、このような方法を「query-conditional SEO」と呼んでいます。
同じ照明でも、オフィス用照明を探しているAIには「Office Lamp」、リビング用照明を探しているAIには「Living Room Lamp」として、その用途に即した情報を優先的に提示する考え方です。
これは、検索エンジンに対する従来のSEOとは少し異なります。AIが理解し、比較し、意思決定するために、商品情報の構造や提示順序を最適化する取り組みです。
「AI向け最適化の正解」が見つかったわけではない
商品説明の変更によって大幅に選択率が上がった事例は、実務上きわめて興味深いものです。
ただし、この結果から、「特定のキーワードを前方に置けばAIに選ばれる」と一般化することはできません。
論文でも、商品説明の変更が明確な効果を持たなかったケースの方が多く、一部では逆効果になっています。また、あるAIに有効な変更が、別のAIにも有効とは限りません。
この研究が示しているのは、AI向け商品説明の完成された正解ではありません。
より重要なのは、AIエージェントが商品情報の書き方に反応し、その反応がモデルやバージョンによって変化するという事実です。
したがって、これからの商品情報管理では、一度説明文を整えて終わりにするのではなく、複数のAIモデルを用いて継続的に検証する必要が生じる可能性があります。
この研究の信頼性と限界
本研究の強みは、模擬ECサイトの条件を研究者が完全に制御し、価格、評価、表示位置などを無作為に変更している点です。
これにより、少なくとも実験環境の中では、どの要素がAIの選択に影響したかを比較的明確に推定できます。コードとデータも公開されているため、他の研究者や事業者が新しいモデルを使って追試することも可能です。
また、本研究はその後、The ACM Web Conference 2026に採択され、短縮版がACMの会議録に掲載されています。著者にはColumbia Business SchoolとYale Universityの研究者が含まれており、市場設計や意思決定に関する研究として一定の信頼性を備えています。
一方、実験は現実のEC市場そのものではありません。
1画面に8商品を並べた模擬サイトであり、商品詳細ページ、配送条件、返品制度、ポイント、在庫、過去の購入履歴などは扱われていません。AIは実際に自分のお金を支払うわけでもなく、特定の消費者の複雑な好みを十分に反映しているわけでもありません。
論文中の「市場シェア」も、AIに商品を繰り返し選ばせたときの選択割合です。実際の店舗やECサイトで観察された販売シェアではありません。
したがって、この研究の結果は、「現在のECサイトで商品説明を変更すれば、実売上が同じ割合で伸びる」と証明したものではありません。
本研究は、現実の売上効果を確定した研究というより、AIエージェントが購買主体となった市場にどのような問題が発生し得るかを、統制された実験によって初めて具体的に示した探索的研究として評価すべきでしょう。
EC事業者は何を準備すべきか
本研究から、EC事業者が直ちに特定のAI向けテクニックを採用すべきだとは言えません。
しかし、少なくとも次の準備は始める価値があります。
第一に、商品情報を構造化することです。
商品名、用途、対象者、価格、仕様、素材、サイズ、在庫、配送条件などを、AIが識別しやすい形で管理する必要があります。重要な情報が画像の中だけに書かれていたり、長い説明文の後方に埋もれていたりすると、AIが正しく評価できない可能性があります。
第二に、検索意図に対応した情報を明確にすることです。
商品の特徴を増やすことよりも、「誰が、どのような目的で使う商品なのか」を明確にすることが重要になります。
第三に、単一のAIだけを基準に最適化しないことです。
GPTに選ばれやすい説明が、ClaudeやGeminiにも有効とは限りません。モデル更新によって結果が反転する可能性もあります。
第四に、継続的な検証体制を持つことです。
AI向けの商品情報最適化は、一度行えば終わる施策ではありません。複数のAI、複数の質問、複数の商品カテゴリーで、どの商品がどのように推薦されるかを定期的に確認する必要があります。
プラットフォームにも新しい責任が生じる
本研究は、販売者だけでなく、ECプラットフォームにも重要な問題を提起しています。
AIが表示位置やプラットフォームの推奨表示に強く影響されるなら、ランキングの設計がこれまで以上に市場競争を左右します。
また、AIが一部の商品ばかりを選ぶようになれば、新規ブランドや小規模事業者の商品が、消費者の目に触れる前に候補から排除される可能性があります。
プラットフォームには、AIによる選択が特定の商品や事業者を不当に優遇していないか、継続的に監査する役割が求められるでしょう。
同時に、広告モデルの見直しも必要になります。AIがSponsored表示を避ける一方で、Overall Pickのようなプラットフォーム推奨を強く信頼するなら、何を広告とし、何を推奨とするのか、その透明性が重要になります。
Agentic Commerceは「検索の自動化」だけではない
この論文が示している最も重要な点は、Agentic Commerceが単なる買い物作業の自動化ではないということです。
購買判断を人間からAIへ移すと、商品の需要を決める主体そのものが変わります。
人間の注意、感情、経験、ブランドへの愛着を前提としてきた市場に、AIモデル固有の判断傾向が入り込みます。そして、どのAIを使うか、どのバージョンを使うか、どの順番で情報を与えるかによって、選ばれる商品が変わります。
販売者はAIに理解される商品情報を整え、プラットフォームはAIによる市場の偏りを監視し、消費者は自分の希望をAIへ適切に伝える必要があります。
AIエージェントが商品を選ぶ時代には、「最も良い商品が選ばれる」と楽観するだけでは不十分です。
問うべきなのは、誰がAIの判断基準を設計し、どの情報がAIに渡され、その結果として誰の商品が選ばれ、誰の商品が見えなくなるのかということです。
本論文は、その問いに最終的な答えを与えるものではありません。しかし、AIが購買主体となる市場を具体的な実験対象として捉え、企業、プラットフォーム、消費者、規制当局が考えるべき問題を明らかにした点に、大きな意義があります。
論文情報
Amine Allouah, Omar Besbes, Josué D. Figueroa, Yash Kanoria, and Akshit Kumar, “What Is Your AI Agent Buying? Evaluation, Biases, Model Dependence, & Emerging Implications for Agentic E-Commerce,” arXiv:2508.02630, Version 3, December 2025.
短縮版は、2026年4月に『Proceedings of the ACM Web Conference 2026』へ掲載されています。